京都文教大学 恵光館
わが事務所結成のきっかけとなった作品!!
あまり実績もなくまだまだ30代前半のわれわれに
軽く提案だけでもと初めた仕事だったけれど、
あれよあれよいう間にこの世に生み出すことになりました。
老朽化した学生食堂と学生談話室および学友会(学生自治会)からなる学生厚生施設の新築工事が行われた。
敷地は、キャンパス中央の既存の複数の校舎と共に形成している「楠広場」と、
反対側に80年以上の年月を経た緑豊かな「和風庭園」に隣接している。
我々は、「楠広場」こそキャンパス内の核になるスペースととらえ、
本施設は広場の形成するインテリアのひとつとしての建築物と考えた。
また、「楠広場」は閉鎖的で精神的な中心性を感じさせる場であったため、
本設計を計画するに当たり、この精神的中心性と並存できる学生生活の中心となるような場を
「ステージ」という形で表現した。
「ステージ」は、内外の階段の踊り場、吹抜けに面した廊下やルーフテラス。
円形ステージは「楠広場」とキャンパスロードの2つの軸線の交点に位置しており、食堂内部までつづいている。
「ステージ」は機能的要求の少ないスペースをと考え、
学生生活における新たな生活行為の発生場所として期待されている。
・長大なキャノビー
・3層吹抜のガラスカーテンウォールによるエントランス
・「く」の字型の平面形状とセットバック
環境に順応しやすい3つの手法を混合的に用い、そこに「ステージ」を介在させることで
「楠広場」と「和風庭園」を緩やかに繋いでいる。
「く」の字型の平面「和風庭園」に沿ったものであり、
庭に面して大きなガラス面と大きくとった「臨庭型」の形態としている。
内部は、白を基調としながら、スクールカラーである黄、赤、緑。
3色のカラーを、内部階段やシャッター、水廻りコアに用いて表現した。