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三条町の家

2010年 奈良市三条町

 

「道から見て閉鎖的な家はいや。少しは住人の影が見えた方が…」

「ひとつの音楽を共有できる家」

「家の中でピクニック」等々、                                    

われわれの想像力をかきたてるヒアリングではじまった家づくりです。

ご主人は飛行機の設計、奥さんは洒脱なカフェの経営者。

論理的なご主人と直感的な奥さんの間に立ちながら設計となりました。

 

計画は紆余曲折を経たものの最終的には、

2階のルーフテラスとそこに連続し、                                          

翼を広げたような屋根(天井)を持った2階リビング。

1階の玄関と一体化したエントランスリビング。

ふたつのリビングを中心に生活する家になりました。

 

内部空間をデザインするにあたって、高い気温が続く日本に

陰の在処や伝統を再認識できるような住空間をと考えました。

2階のリビングは木を濃色に染め上げ、

その陰とテラスに落ちる光のコントラストを強調することで                          

 「陰」の快適さを生み出そうとしました。

ステンレスのキッチンは内部にあって光を感じる装置にもなっています。

1階のエントランスリビングにはソファや薪ストーブを置くことにより

リビングとしての機能を付加しています。

両方のリビングとも大きな開口をつくりながらも目線を切る壁や緑によって

内部の独立性をつくり出し

街と内部を微妙に切断し交錯する空間を目指しています。

 

屋根や壁がつくる陰。

緑がつくり出す影。

薪ストーブの火、左官壁やステンレス…素材がつくりだす陰影。

 

それらの陰影が街と家を接続し切断する。                               

住空間に楽しさと落ち着きを与える。

そんな距離感をもった家になったと思います。

概要

建築面積
68.06㎡
延床面積
107.32㎡
敷地面積
119.88㎡
規模
地上2階
構造
W
用途
住宅
家族構成
夫婦+子1人
構造設計
拙計画工房
施工
(株)日本中央住販(ASJ奈良スタジオ)
撮影者
冨田英次