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KOBOTIYA (Tokyo Designers Week)

2003年

京都の古い住まいを解体して出た古木材を使ったインスタレーションです。
解体して判明したのですが、大引や束などはさらに古く
もともとは柱や土台だと考えられる材料が使用されていました。
今回はそれら古木材の中でもさらに古いものを中心に
スペクタクルな空間の構築をこころみています。

われわれはデザイン(creation)を始める時
言葉、空間、時間のもつ意味をまず解体します
あるいはフラットな状態に戻すといってもいいでしょう。
そこから再び組み上げられる空間やデザインは
まったく新しいものではなく
古くからある意味性を再び現在の状況にあわせて再構築したものです。

クリエーターですからもちろん
新しい物事を生み出したいとおもいながら
日々、思考をめぐらすわけですが
新しいものを求めると必ず古いものの
持つ意味性にぶつかります。
新しきを訪ねて古きを解するといったところでしょうか...

今回のインスタレーションは
そういった日々の同語反復的な作業を再び見つめなおし
受け継がれてきた意味を過去から未来へつないでいくための
意志表明であると考えています。
古材の中につまっている多くの技術や思考の痕跡。
そんな時間軸の中にいる現在におもいをめぐらせ
この空間を体験していただければ...